2008年02月02日
本試験分析:労働者災害補償保険法(択一式)
今日もとりあえず、ぽちっとよろしくね
→人気blogランキングへ
本試験分析:労働者災害補償保険法(択一式)
平成19年度本試験分析と平成20年度本試験に向けての対策です。
担当は、栗澤純一氏。
『シャララン社労士』では労働基準法、国民年金法、厚生年金保険法を執筆、『わかる社労士シリーズ』でも多くの科目を担当している私がとっても頼りにしている講師です。
ここでは、「出題傾向を把握し、効率的な学習方法を模索する」ことを目的として、本試験問題を分析していきます。
平成19年に受験された方は出題内容の確認、復習はしておいたほうがいいでしょうね。
もちろん、平成20年度に新たに受験する方も、出題傾向や学習計画をたてるうえでとても重要なことです。
ぜひ、参考にしてください。
--------------------------------------------------------------------------------
労災保険法の択一式試験・・・
みなさん、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
・過去問の繰返し
・ほかの科目に比べて簡単、得点源
案外、楽観的に考えていらっしゃる方が多いようです。
が、実はこれが落とし穴なんです。
確かに、制度の基本的な仕組みを押さえて、過去問をしっかりこなしておけば、大きく外すことのない科目ではあります。
でも「労災は得点源♪」ということで、「7点の満点、まぁ、悪くても5、6点」のつもりでいたのに、足元をすくわれて3、4点・・・なんていうこともざらにあるんです。
まさしく、「とらぬ狸のなんとやら」ですが、案外、これにはまってしまう受験生が多いんです。
では、その理由を含めて分析をしていきましょう。
【ポイント1:過去問+新問】
「労災は過去問の繰返し」との定説がありますが、ここ数年の出題傾向をみると、必ずしも当てはまりませんね。
「労災保険法施行規則(テキストでは、「則○条」などと表記されているものです)」などを根拠とする問題が多くなっています。
いいかたをかえれば、かなり細かな内容も出題されるということです。
確かに、過去問に出題された問題も繰返し出題されています。
例えば、正解肢、つまり解答として選ぶべき選択肢の論点についてみると、
問1D肢 ⇔ 平14 問1D肢
問2E肢 ⇔ 平15 問1D肢
問7B肢 ⇔ 平15 問5A肢
というように、ここ数年のところでも、ほぼ同じ論点のものや論点を簡略化した出題がありました。
また、問3C肢のように、非常にシンプルなものもあります。
ですので、少なくとも基準点割れという事態は回避できますが、「あわよくば満点」なんていう皮算用は・・・できませんよね。
ちなみに、「則」については、平成18年度試験の選択式でも直接的な論点として取り上げられ、話題をさらいました。
その評価はさまざまですが、傾向と対策を考えれば、平成20年度試験においても、それなりに踏み込んで押さえておく必要があるでしょう。
【ポイント2:あわてないこと】
労災保険法に限らず、当然のことなんですが、こと労災保険法については、比較的読みやすい文章の問題が多いですので、さらっと読み流してしまうことが多いんです。
ただ、その「ボリューム」に気をつけて頂きたいのです。
平成19年度試験の1肢あたりの平均行数
(↑こんな分析をするのは、受験業界でも私くらいでしょうか?)は、「5.0行」でした。
ちなみに、誰もが難しいと頭を抱える厚生年金保険法でも、「3.6行」ですからね。この「およそ1.5行」の差をどうとらえるか・・・
1肢につき1.5行、ということは、5肢1問当たり7.5行多い、ということです。
これが全部で7問ですから・・・かなりの差になりますよね。
そんな問題でありながら、正誤の論点は至って単純だったりするので、つい、うっかりミス・・・なんてことになってしまうんですね。
例えば、問6A肢ですが、問題文はなんと10行!にもかかわらず、その論点は、「未満」という言葉のひっかけ。
おまけに問6の正解であるC肢は新問でしたから、ケアレスミスをしてしまった受験生もいらっしゃるかもしれませんね。
これを防ぐには、「じっくり読む」しかありません。
ただ、誰しも解答を早く見つけたいですから、気づかないうちに読み流していることが多いものです。
日頃から意識しておきたいところです。
【ポイント3:むやみに難問・奇問と切り捨てないこと】
試験対策上、「難問・奇問は無視していいです」といわれます。
確かにそのとおりですが、気をつけて頂きたいのは「何を基準として難問・奇問とするか」ということなんです。
「意味がわからないから・・・いいや」とか、「うへぇ、細かい・・・こんなのもう出ないよ」などと決めつけないほうがいいでしょう。
こと、労災保険法に関しては。
もともと「ストレート」な問題が多い科目でしたから、過去数年分の問題を繰り返していくと、ここ数年の問題のなかには、「なんだこりゃ」というものもあるんです。
が、そういったポイントは引き続き狙われやすいようです。
裏を返せば、そういった細かいところから出題しないと、問題が作れなくなっているのかもしれませんね。
年金科目などにくらべれば非常にシンプルな制度ですので。
と、いうことで、労災保険法(択一式)の分析をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
まずは、世間一般(←あくまで社労士受験の世間一般ですが)の労災保険法に対する固定概念を崩すところから始めるとよいかもしれませんね。
それでは、次回は「雇用保険法(選択式)」を分析していきます。
【過去の分析記事】
▼労基法・選択
▼労基法・択一
▼安衛法・選択
▼安衛法・択一
▼労災法・選択
本日の記事が役立った!と思ったら→ここをクリックしてくださいね
登録無料『社労士受験生応援メールマガジン』
7,000名以上の社労士受験生が登録している日本一購読者数が多い無料メールマガジンです。