2007年10月31日
本試験分析:労働安全衛生法(選択式)
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本試験分析:労働安全衛生法(選択式)
平成19年度本試験分析と平成20年度本試験に向けての対策です。
担当は、栗澤純一氏。
『シャララン社労士』では労働基準法、国民年金法、厚生年金保険法を執筆、『わかる社労士シリーズ』でも多くの科目を担当している私がとっても頼りにしている講師です。
ここでは、「出題傾向を把握し、効率的な学習方法を模索する」ことを目的として、本試験問題を分析していきます。
平成19年に受験された方は出題内容の確認、復習はしておいたほうがいいでしょうね。
もちろん、平成20年度に新たに受験する方も、出題傾向や学習計画をたてるうえでとても重要なことです。
ぜひ、参考にしてください。
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安衛法は、選択式・択一式ともに労働基準法とセットで1科目を構成する法律ですが、こちらもいわゆる条文抜出型の「基本に忠実」な出題でしたね。
ちなみに、まず初めに確認しておきたいことがあります。
みなさん、労働安全衛生法って、「単なる暗記科目」と位置付けていらっしゃいませんか?
・・・これ、誤解ですよ。
確かに、パッと見ただけでは、「名称」、「数字」などなど、覚えることは山ほどありますが、試験対策としては、端から順に覚えるのはどうかと思います。
詳しくは後述しますので、ここでは「安衛法は単なる暗記科目ではない」ということだけは覚えておいてくださいね。
まず、これまでの出題傾向を分析すると、
(1) 条文抜出型の問題(平成12、14、17、18年)
(2) 前後の文章の流れから判断することができる問題(平成13、15、16年)
というように、大きく2つに分けることができます。
平成19年試験はといいますと、(2)のパターンに該当しますね。
ここで考えて頂きたいのは、「出題内容」です。
具体的に、ここ数年の出題内容を挙げてみると、
平成19年:「危険性・有害性等の調査」、「元方事業者の定義」
平成18年:「事業者等の責務」、「面接指導」
平成17年:「事業者等の責務」
平成16年:「作業の管理」
となっていますが、何か気付いたことはありませんか?
そう、多くは「改正」に関連しているのです。
ただ、そこで終わりにしないでくださいね。
「改正からの出題が多い」のは何も安衛法に限ったことではありませんが、特に安衛法では、改正の背景、内容をしっかり理解しておくと、押さえるべき内容が絞り込めるんです。
さきほど、「単なる暗記科目ではない」と申し上げたのはこれなんです。
確かに、「覚えていなければ」解答することはできません。
ただ、「全部を覚える」ことは至難の業です。
試験対策としては、「出題される可能性の高い規定」を重点的に押さえておくことが重要です。
そのためには、改正の背景、内容を理解しておくことが不可欠なのです。
では、少し掘り下げてみましょう。
労働安全衛生法は、平成18年4月(一部は平成18年12月)に改正が行われました。
その背景には、「労働災害発生状況が長期的に減少傾向にあるなかで、爆発・火災といった『重大災害』が頻発したこと」や、「加重労働による健康障害(過労死等)の増加」といった問題がありました。
前者は生産工程の多様化・複雑化が進展しているのに対し、作業に伴う危険性や有害性の洗出しが不十分であったことや、
請負関係など指揮命令系統の異なる労働者が混在して作業しているにもかかわらず、作業間の連絡調整が十分になされていなかったことがその要因とされています。
一方、後者は長時間労働や過度のストレスがその要因とされています。
このような要因を解消すべく、平成18年改正ではさまざまな規定が設けられました。
これを出題内容と照らし合わせてみると・・・
改正後だけなく、改正前にも関連していますよね。
こういった「社会的な問題」が色濃く反映されるのが安衛法なのです。
こういったポイントを踏まえて学習していれば、「端から暗記する」必要はありませんし、現実的な問題とリンクさせながら学習できますので、無味乾燥な条文との闘いにはなりませんよね。
問題があるから、それを解消するために改正が行われるわけです。
現状を把握し、それを解消する具体的な方策を設ける。
その一連の流れこそが試験対策そのもの、というわけです。
では、来年の試験に向けて注意すべきポイントはどこにあるのでしょうか?
さきほど例示した諸問題は、いまだ解消するに至っていません。
つまり、まだまだ実際の経済社会の中では注目度の高い規定です。
当然、こういったポイントを中心に押さえていく必要があります。
そのためには、平成18年改正を再度確認しておくとよいでしょう。
厚生労働省のホームページで関連情報を探すもよし、過去のテキストや参考書をパラパラとめくってみるもよし。
▼シャラランではこちら↓
http://www.shararun.com/k_index/roudo/gaiyo/h17_anei_gaiyo.html
白書で厚生労働行政の方向性を把握しておくこともできますね。
このほか、方法はいくつもあります。
目の前にあるテキストで必死に学習することも大切ですが、それだけではどうしても細かな規定にばかり目を奪われてしまいます。
そんなときは、ふと、顔を上げて、全体像を把握するように心がけてみてください。
きっと、これまで安衛法に対して持っていたイメージが変わるでしょう。
それでは、次回は「労働安全衛生法(択一式)」を分析します。
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