2008年03月
2008年03月30日
本試験分析:健康保険法(選択式)
本試験分析:健康保険法(選択式)
平成19年度本試験分析と平成20年度本試験に向けての対策です。
担当は、栗澤純一氏。
『シャララン社労士』では労働基準法、国民年金法、厚生年金保険法を執筆、『わかる社労士シリーズ』でも多くの科目を担当している私がとっても頼りにしている講師です。
ここでは、「出題傾向を把握し、効率的な学習方法を模索する」ことを目的として、本試験問題を分析していきます。
平成19年に受験された方は出題内容の確認、復習はしておいたほうがいいでしょうね。
もちろん、平成20年度に新たに受験する方も、出題傾向や学習計画をたてるうえでとても重要なことです。
ぜひ、参考にしてください。
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さて、今回は健康保険法(選択式)の分析をしていきましょう。
まず初めに出題傾向を確認しておきましょう。
健康保険法の選択式試験、論点はいたってシンプルですが・・・
一癖、いや、二癖、三癖ありますね(-_-;)
例えば、平成12年試験では、「保険給付の消滅時効の起算日」が問われました。
消滅時効の起算日は、択一式試験でも繰り返し出題されており、いわば「基本中の基本」といえるポイントですが、これを選択式試験で出題したものだから、その選択肢の長いこと、長いこと・・・
そのほか、平成15年、16年試験では、「高額療養費」が問われましたね。
ただし、「計算問題」としてですが (>_<)
こんな具合に、「論点そのものは必ずしも難解ではないけれども、出題形式であっけにとられる」ということが多い科目といえるでしょう。
(社会保険に関する一般常識ほどではありませんが・・・)
さて、それではもう少し踏み込んで分析をしていきましょう。
ポイント1:定義、数字・・・基本事項が問われることが多い
さきほどの平成12、15、16を除く選択式試験(5年分:計20の空欄)では、実に12の空欄が「数字」に関連するものでした。
また、残りの8つも択一式試験対策の延長で十分に解答できるものでした。
ですから、健康保険法に関しては、択一式試験の延長に選択式試験がある、との認識で学習を進めると効率的でしょう。
択一式試験で何度も問われている規定は、選択式試験でも要注意ということですね。
ポイント2:計算問題に注意
「計算問題」というと、労働保険徴収法の専売特許のように思われがちですが、決してそんなことはありません。
平成15年、16年の選択式試験に限らず、「高額療養費」関連では、過去に択一式試験でも出題されています。
したがって、今後も十分に注意をしておく必要がありますね。
とはいえ、「計算問題」の出題対象となる論点はさほど多くありません。
少々強引かもしれませんが、「高額療養費」に絞って対策をしておけば十分でしょう。
ちなみに、あまり複雑なところまで踏み込む必要はありません。
「え?平成15年、16年試験は十分複雑だった」ですって?
いえいえ、あれこそがまさに「高額療養費の考え方」そのものです。
「計算問題」、「数字」にまどわされることなく、「高額療養費」の仕組みをきちんと理解していれば、芋づる式に解答が導き出せる問題でした。
・・・裏を返せば、最初でつまづくと全滅!という恐ろしい問題でしたが(-_-;)
健康保険法に限らず、社労士試験における計算問題は、「計算そのもの」の難易度が高いわけではなく、「計算の過程」をきちんと理解しているかを問うものですから、この類の問題を苦手とする方は、まずは徹底的に仕組みを理解することから始めましょう。
ポイント3:法改正に注意
「法改正は要注意」…社労士試験の受験生であれば、必ずといっていいほど耳にする言葉ですね。
健康保険法にも例外なく当てはまります。
平成15年試験の直前には、高額療養費の区分等の改正がおこなわれていますし、平成19年試験の論点である「入院時生活療養費」も直近の改正事項でした。
健康保険は平成18年、19年、20年と、大きな改正が続いています。
もちろん、まだ本試験で出題されたことのない改正事項もたくさんありますので、それらもきちんと理解しておく必要があります。
とはいえ、「直近の改正で、どこが変更されたのかなんてわからない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
特に初学者の方は、「改正後」の規定しか知らないでしょうし。
そんなときは「厚生労働白書」などを参考にするといいですね。
白書は厚生労働行政の大枠をまとめたものですから、もちろん医療保険制度の改正についても取り上げられています。
ただし、あくまで参考程度にしておきましょうね。
なにより理解すべきは、「現在の制度」なのですから。
さて、こうやって分析をすると、健康保険法って、いかにも「社労士試験らしい問題」が多いことがわかります。
ですから、ここで確実に得点が稼げていれば、およそ学習方法に間違いはないともいえますね(単純に、医療保険の得手不得手はありますが)。
1つのバロメーターとなる科目として意識しておくといいと思います♪
それでは、次回は「健康保険法(択一式)」を分析します。
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2008年03月11日
本試験分析:労働保険徴収法(択一式)
本試験分析:労働保険徴収法(択一式)
平成19年度本試験分析と平成20年度本試験に向けての対策です。
担当は、栗澤純一氏。
『シャララン社労士』では労働基準法、国民年金法、厚生年金保険法を執筆、『わかる社労士シリーズ』でも多くの科目を担当している私がとっても頼りにしている講師です。
ここでは、「出題傾向を把握し、効率的な学習方法を模索する」ことを目的として、本試験問題を分析していきます。
平成19年に受験された方は出題内容の確認、復習はしておいたほうがいいでしょうね。
もちろん、平成20年度に新たに受験する方も、出題傾向や学習計画をたてるうえでとても重要なことです。
ぜひ、参考にしてください。
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今回は労働保険徴収法(択一式)の分析ですね。
ちなみに、「労働保険徴収法は選択式試験には出題されない」と誤解されている方もいらっしゃるようですが、たまたま選択式試験では出題されていないだけで、出題範囲にはしっかりと含まれておりますので。
ただ、平成19年試験におきましても、例年どおり出題されませんでした。
したがいまして、今回は「択一式試験」を分析していきたいと思います。
さて、この労働保険徴収法ですが、労働保険徴収法は、労災保険法及び雇用保険法において3問ずつ、計6問出題されます。
ちなみに、点数配分で考えた場合、労働基準法や労災保険法、雇用保険法がそれぞれ7問ですから、単独科目として考えれば、これらの法律と何ら遜色がない、つまり、しっかりと学習して得点に結びつけなければ合格は難しい、ということです。
ところで、労働保険徴収法は、雇用保険法と同じく「手続法」です。
そのため、イメージがわかなくて苦手にしている方も多いかと思います。
人事・総務関係の業務の経験がなければ、書類の流れや労働保険料の納付などはよくわかりませんものね。
ただし、「手続法」であるということは、いたってシンプルな規定が多い、ということでもあります。
ですから、きちんと学習しておけば、確実に得点に結びつけることができるわけです。
では、こういったことを踏まえて、本試験の分析をしていきましょう。
【ポイント1:出題傾向 】
平成19年試験をみると、特に難問・奇問はありませんでしたね。
しかも、解答として選ぶべき肢はいたってシンプルな論点のものでした。
また、労働保険料関係の計算問題の出題もありませんでしたので、比較的得点を稼げたのではないでしょうか。
ちなみに、「計算問題」は、最近はあまり出題されていません。
過去数年間をさかのぼってみても、一問まるまる計算問題、という形式で出題されたのは、3問程度ですね。
ただ、誤解しないで頂きたいのは、「計算問題を軽視してよい」ということではないんです。むしろその反対です。
ここ数年の出題実績が少ない、ということは、「過去問」中心でアウトプットの学習をしていると、計算問題の演習が不足してしまうのです。
とくに、過去5年程度に絞り込んだ過去問集では不足感は否めません。
それ以前の過去問についても確認しておきたいところです。
【ポイント2:やっぱり過去問】
繰り返しになりますが労働保険徴収法は「手続法」です。
保険関係の成立にしても労働保険料の納付にしても、一連の流れを定めた法律ですから、さほど難解な規定はありません。
つまり、労災保険法と同じく「新たに出題するところがない」という印象を受けます。
実務色の強い科目ですから、その気になればかなり細かい論点を取り上げることもできるのでしょうが、出題者側もそこまでは考えていないようです。
と、すれば・・・やはり、過去問ですよね。
ただ、「一言一句、すべて同じ」という問題はさほど見受けられませんので、それぞれの論点をきちんと押さえておかなければいけません。
例えば、労災保険法問9をみると、
A肢:平成15年労災保険法問10A肢
B肢:平成14年労災保険法問9B肢
C肢:平成11年労災保険法問10C肢
D肢:平成15年労災保険法問10C肢
E肢:平成14年雇用保険法問8C肢
で、それぞれほぼ同じ論点が取り上げられていたり、単純に正誤を入れ替えただけの出題があったりします。
単純に、「過去問の反復回数」だけにこだわると・・・
足元をすくわれかねませんので、じっくりと確認しておきたいところです。
これらのポイントを踏まえると、労働保険徴収法の試験対策は、前回の雇用保険法の試験対策とほぼ同じといえます。
対策その1: まずは制度の全体像をしっかり押さえる
対策その2:制度の全体像がいまひとつはっきりしないのであれば、テキスト以外の資料も活用してみる
公共職業安定所などで配布しているパンフレットや一般書籍も参考にしてみる。
ただし、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
実務上のこまかなテクニックなどは出題されませんので・・・
対策その3:過去問の活用方法に注意!その問題の論点をきちんと押さえ、その周りの部分(派生事項)に注意を払う
とっつきづらくて試験対策が後回しになりがちな科目ですが、苦手科目にするわけにはいきませんよね。
ただ、学習方法を間違えなければ、確実に得点に結びつけることができるのですから、なんとしてもマスターしておきたい科目です。
さて、労働保険徴収法(択一式)の分析はこのくらいにしておきましょう。
次回は「健康保険法(選択式)」を分析していきます。
★徴収法が苦手な方は『シャララン社労士 徴収法』でメリット制などを克服しよう!計算問題で理解度を高めます
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2008年03月02日
本試験分析:雇用保険法(択一式)
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本試験分析:雇用保険法(択一式)
平成19年度本試験分析と平成20年度本試験に向けての対策です。
担当は、栗澤純一氏。
『シャララン社労士』では労働基準法、国民年金法、厚生年金保険法を執筆、『わかる社労士シリーズ』でも多くの科目を担当している私がとっても頼りにしている講師です。
ここでは、「出題傾向を把握し、効率的な学習方法を模索する」ことを目的として、本試験問題を分析していきます。
平成19年に受験された方は出題内容の確認、復習はしておいたほうがいいでしょうね。
もちろん、平成20年度に新たに受験する方も、出題傾向や学習計画をたてるうえでとても重要なことです。
ぜひ、参考にしてください。
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雇用保険法、実は苦手にしている方が多い科目でもあります。
内容的には、皆が「難しい」と口をそろえる厚生年金保険法などに比べてはるかにシンプルなんですが、なぜか得点に結びつかない、という不思議な科目なんですね。
ここをはっきりさせておかないと、いつまでたっても「雇用保険法は苦手なんだよな〜」で終ってしまいますので、まずはその理由をさぐってみましょう。
【理由その1:実務色が強い】
誤解しないで頂きたいのですが、ここでいう「実務色が強い」というのは何も
「実際に帳票に記入する」というものではありません。
実際の取扱い、つまり具体例が問われることが多い、ということなんです。
社労士試験は法律の試験ですから、どうしても法律論に偏りがちです。
その法律論をどのように具体例と結びつけるか・・・
この訓練をおろそかにしている受験生が意外と多いんです。
【理由その2:給付の種類が多い】
「失業等給付」の種類、とてもたくさんありますよね。
「給付」というと、その「名称」はもちろん、「支給対象」、「支給要件」、「支給内容」、「支給期間」、「支給調整」、「支給制限」・・・論点は山のようにあります。
給付の種類が多い、ということは、それだけ押さえるべきポイントがある、ということです。
それだけでも大変ですが、雇用保険の場合にはよく似た名称のものがあったり、被保険者の種類ごとに対象となる失業等給付が違ったり・・・
これだけで、もうごちゃごちゃです(>_<)
雇用保険法をとっつきづらいものしているのは、主にこの2つです。
したがって、制度の仕組みは至ってシンプルなわけですから、
この問題さえクリアできれば問題ない、ということになりますね。
では、少し踏み込んで分析してみましょう。
【ポイント1:出題傾向】
平成19年試験をみると、問1の5肢、3A肢、問5C肢、D肢がいわゆる具体例に基づく出題ですね。
そのほかにも「手続」に関する添付書類やらなんやら・・・
雇用保険法の択一式試験は全部で7問・35肢ですから、やはり、他の科目に比べても「具体例」に関する出題頻度は高い、といえるでしょう。
そのほかの年の試験をみても大差はありませんね。
【ポイント2: 過去問と「そっくり同じ」という問題が少ない】
雇用保険法では、過去に出題された問題がそのままコピーされて再度出題されることはほとんどありません。
ポイント1の「具体例」、先ほど触れた失業等給付の「名称」、「支給対象」、「支給要件」、「支給内容」、「支給期間」、「支給調整」、「支給制限」・・・
出題すべき論点には事欠かないんですね。
そのため、本試験当日に初めてお目にかかる問題が多いのですが、あらかじめ心の準備をしておかないと、気ばかり焦ってうっかりミスを連発、
なんてことにもなりかねません。
では、これらのことを踏まえて、対策を考えていきましょう。
【対策その1:まずは制度の全体像をしっかり押さえる】
「被保険者の種類」、「失業等給付」・・・
何かにつけて、雇用保険制度は細分化されています。
なかでも受験生が軒並み苦労するのが「失業等給付」でしょうか。
どうしても「支給要件」だとか、「支給内容」、「支給期間」といった細かい部分が気になるのですが、まずは「体系」を押さえることが先決です。
いつでもどこでも(?)脳裏に浮かんでくるようになるまで、種類・名称を叩き込む必要があります。
まずは大きなくくりで「失業等給付」、次に、保険事故にあわせて「求職者給付」、「就職促進給付」、「教育訓練給付」、それと「雇用継続給付」に区分されていて、
そのうち「求職者給付」には、一般被保険者(受給資格者)を対象とする基本手当、技能習得手当・・・
というように、チャートなり、一覧表なりがスラスラと浮かんでくるようになるまできっちりおさえること、これが大前提です。
いくら細かい部分を覚えようとしても、「そもそも何の給付だっけ???((+_+)) 」なんていうい状況では、いつまでたっても曖昧なままです。
細かいことは後回し、まずは「体系」を押さえることに集中しましょう。
【対策その2:過去問を活用しましょう】
先ほど触れたとおり、雇用保険法は、「そっくりそのまま」という過去問が繰り返し出題されることはあまりありませんので、ただ「解いた」、「論点を押さえた」で終わらせてしまっては、十分な効果が得られません。
例えば、基本手当に関連して、「失業の認定」であれば平成19年問2D肢と平成13年5B肢、「待期」平成19年2Eと平成16年問2Eの関係のように、過去に出題された事項の派生事項が出題されることが多々あります。
一問一答形式の過去問集で確認すると一目瞭然ですが、1つの規定について、論点があるわあるわ・・・(-_-;)
ですから、過去問を解いた際、テキストでその論点を確認するのはもちろんですが、「その周りの部分」にも注意して頂きたいのです。
当然、ただ過去問を解くのに比べれば時間はかかります。
結果、反復回数も減るでしょう。
ただ、「そっくり同じ問題」があまり出題されない以上、「その問題だけ」を押さえても、次につながらないのです。
「過去問」というと、反復回数にこだわる方がいらっしゃいますが、雇用保険法に関していえば、「まず回数ありき」ではなく、「じっくり」と確認しながらよいと思います。まさしく「急がば回れ」です。
【対策その3:テキスト以外の資料も活用しましょう】
前回も触れましたが、公共職業安定所などで配布しているパンフレットなどは、
要点を絞ってわかりやすく説明していますので、大いに利用する価値があります。
そのほか、一般書籍として、「事務手続マニュアル」のようなものが書店に並んでいますが、これも案外つかえます♪
テキストや条文集だけでは、どうも手続きの流れがつかめないものですが、こういったマニュアル本はイラストを使って解説していたりしますので、条文上の規定をイメージとして押さえることができると思います。
ただ、あまり深入りしてはいけませんよ(^_^;)
社労士試験はあくまで「法律の試験」であって「手続の試験」ではありませんからね。
参考程度に取り入れると理解しやすい、くらいに考えておきましょう。
さて、雇用保険法(択一式)の分析はこのくらいにしておきましょう。
次回は「労働保険徴収法(択一式)」を分析していきます。
【過去の分析記事】
▼労基法・選択
▼労基法・択一
▼安衛法・選択
▼安衛法・択一
▼労災法・選択
▼労災法・択一
▼雇保法・選択
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